漠然とした「将来についての不安」を感じたことはありますか?
- 病気や感染症って、今後も増え続けるのかな?
- 戦争はいつまでもなくらないけど、安全に暮らせるのだろうか?
- 環境汚染で地球で暮らせなくなるのかな?
身近なこと、日本のこと、世界のこと、不安は尽きないですよね。でも、1つだけ知っておいてほしいことがあります。世界は確実に良い方向に向かっています。
悪いニュースばっかり報道されているじゃないか!
何を脳天気なこと言ってるんだ!
しかし統計データで見ると事実は違います。人間は、本能によって正しい事実ではなくて印象で物事を解釈してしまう習性があります。
本能に惑わされずに、正しく世界を見るための方法が「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」という本で詳しく解説されています。
結論だけ言われてもよくわからないですよね。この記事で「具体的な内容/事例」と「ファクトフルネスな思考を手に入れる方法」について紹介していきますでの、以下のような方にオススメです。
- 悲観的(ネガティブ)な思考から抜け出せない
- 数字を正しく捉えて客観的な視点を持てるようになりたい
- ファクトフルネスに興味がある(あった)
ファクトフルネスを身に着けて、人類の中で上位10%(※1 数字の根拠は後述します)の知性的な人間になりましょうーー!
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FACTFULNESS(ファクトフルネス)を読むべき理由
ビル・ゲイツ氏も絶賛!「ファクトフルネス」は魂の一冊
内容の紹介に入る前に、この本を「読むべき!!」と思えるエピソードを2つ紹介させて下さい。
理由1:著者が命をかけて執筆した一冊
著者の「ハンス・ロスリング」氏は、医師、教授、そして教育者としても著名で、世界保健機構やユニセフのアドバイザーを務め、国境なき医師団を立ち上げたなど多くの功績を残しておられます。タイム誌が選ぶ世界で最も影響力の大きな100人にも選ばれてます。
ガンと診断され余命宣告を受けたあと、全ての力を本書の執筆に捧げ完成させてます。これだけの実績を残した偉大な人物が、人生の集大成として残した本という時点で、読んでおくべき一冊ですよね!!
TEDトーク「ハンス&オーラ・ロスリング: 世界について無知にならないために」も合わせてみると、より理解が深まると思います。
理由2:ビル・ゲイツ氏が無償で配るほど大絶賛
マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏は本書を「自分がこれまでに読んだ中で最も重要な1冊」だと評価しており、2018年にアメリカの大学を卒業した希望者全員に、この本を無料でプレゼントするほど大絶賛しています。
他にもバラク・オバマ元アメリカ大統領など、多くの著名人も本書を高く評価しております。ココまで評価されているのであれば読んでおくべき一冊ですよね!!(2回目。ゴリ推し、すみません。笑)
チンパンジークイズ:9割の人間が世界を誤って認識している
そもそも「どのように」誤解しているのか?を理解いただくために、1つ問題を出します。
日本ならほぼ100%だと思いますが、公的な保険制度が整っていない先進国、僻地に暮らしている南米、東南アジア、中東、アフリカの子供たちは、、と考えると??
C. 80%
いかがでしたでしょうか?ちなみに、私は本書を読んだ時、しっかり間違えました。笑
このような3択問題が全部で13題出題されますが、正答率はなんと平均で10%未満となります。3択なので、適当に選んでも33%の正答率になるはずなのに、あえて間違った回答を選んでいるということになります。特に医者、教師など識者ほど正答率が下がる傾向も見られました。
ちなみに、チンパンジーよりも正答率が低いことから、「チンパンジークイズ」と呼ばれています。
このテストからわかることは、毎日新しい情報に触れていても、最先端の技術を知っていても、高いIQを持っていても、「本能による思い込み」を抑えられなければ、チンパンジー以下になってしまうという事です。(※1 回答できた人は、人類で上位10%の知性的な人間ということですね。)
FACTFULNESS(ファクトフルネス)の要約
「世界は分断できる」という思い込み:分断本能
物事を対立する2つのグループに分けてしまうのが「分断本能」です。よく「勝ち組」という言葉を耳にしますが、「勝ち組」ではないと必然的に「負け組」のような気がしてしまいます。「金持ち」と「貧乏」、「先進国」と「発展途上国」など、身の回りには分断本能による思い込みが溢れています。
しかし実際は、2つのグループには多数派の中間層が存在しています。
グループA | グループB | 実際は???(中間層がいる) |
---|---|---|
お金持ち | 貧乏 | 日本は「1億総中流社会」って言われるくらい中間層が多い |
サラリーマン | フリーランス | 副業サラリーマンってどっちとも言えない |
分断本能の問題点は、分断して理解しようとすると、大多数を見落とすことになりかねないということです。大多数を見落とすということは、大きなメリット/重大なリスクに気づかないということになります。ビジネスや教育場面でも、こうした思い込みは日常的に起きています。
「世界は悪くなっている」という思い込み:ネガティブ本能
物事のポジティブな面より、ネガティブな面に注目しがちなのが「ネガティブ本能」です。我々の先祖は、ネガティブ本能のおかげで飢えや敵から身を守ることができました。しかし現代人のわたしたちは、本能が働き過ぎると世の中の良い出来事に目が向かなくなります。
本書のなかでも、このパートは実例やデータが豊富に提示されています。全てが改善できているわけではないですが、着実に改善されている事実も認識しておくべきです。そして、本能によって必要以上に悲壮感を感じる必要はない。と著者も強く主張しています。
10の思い込み:その他の人間の本能
「分断本能」「ネガティブ本能」以外にも、人間には全部で10の思い込みがあります。残り8つの思い込みについては、以下です。
いずれも、自然にしていると本能的に思い込んでしまいます。ただし、「数字」を冷静に俯瞰してみることで部分的だけを切り出したウソの情報に騙されることなく、正しい判断をくだせるようになります。それがファクトフルネスを使いこなすということです。
ファクトフルネスの実践:数字はウソをつかないがウソつきは数字を使う
このパートは、私の社会生活のなかで「ファクトフルネス」を身近に感じた、役立ったという実例についてご紹介をさせていただきます。
2つの人間の本能について紹介させて頂きましたが、例えばニュースでは「ネガティブ本能」を利用して、飛行機が墜落したニュースは悲壮感たっぷりに報道されます。しかし事故件数は10年前より、劇的に減少しました!というニュースは報道されません。
人間はそのほうが興味を持つからで、報道機関も仕事としてやっているので、非難しているわけではないのですが、印象操作されないようにしっかり自分で見極めないとダメですよ。というお話でした。
ただし、明確な悪意を持って数字を使っている例もありますので、注意喚起の意味で一例をご紹介させていただきます。
上記は、株の値段の推移を表したチャートだと思って頂ければと思いますが、長期間で見ると明らかに下がっています。下がり続ける株をあえて買う必要はないでしょう。ただし、赤枠で囲った短期間でみると、むしろ好調!上がっているようにみえます。
今後どうなるかを正確に予見することはできませんが、全体を見る/部分をみるで印象は大きく違いますよね?証券会社は、この数字のトリックを巧みに使って株の売買を勧めております。他にも保険、不動産、などあくどい商売をしている会社に騙されないように注意しましょう。
※決して証券/保険/不動産会社を否定する意図はありません。一部の悪徳業者に気をつけましょう。
まとめ/感想
最後に本書の内容をまとめさせて頂きます。
本書ではそれぞれの本能に対して具体的な事例/数値的な根拠が詳細に示されています。ファクトフルネスに基づいて「数字/事実」を確かめたい方は、是非、本書を手にとって頂ければと思います。
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ちなみに「悲観的なニュースを例にあげて、社会に対して斜に構えた人」=「20代のツンツンしていた頃のダメで恥ずかしい私(笑)」に紹介してあげたい1冊でした。もしオトナにもなって、中二病的な雰囲気のイタイ方が身近にいらっしゃれば、本書を紹介してあげてください。笑
また数字から「事実を見つける」⇒「事実を抽象化して、素晴らしいアイデアにする」は出来るビジネスマンには必須のスキルです。以下の記事では、具体化/抽象化を自由に操る思考法について紹介してますので、よかったらご覧ください。
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