得意を伸ばして、一芸に特化しないと生き残れない「個」の時代だよ
ジョブ型雇用が拡大しているので、器用貧乏なゼネラリストは不要
↑昨今は、一芸に特化したスペシャリストが良くて、広く浅くのゼネラリストはダメ。みたいな風潮があります。特に勉強熱心な方ほど「スペシャリストを目指す!」という方が多いかなと思ってます。
結論:半端なスペシャリストが一番ヤバい。「凡人」は複数の得意分野を持つゼネラリストがオススメ
そもそも論としては、どちらが良い悪いということはなく、特性の活かし方、目的によっても話は変わってきます。
この記事では、スペシャリスト/ゼネラリストの特性、スペシャリストだけがよいという勘違い、凡人にゼネラリストを勧める理由、を紹介します。自分の将来/キャリアプランに悩んでる方は、参考にして頂ければと思います。
スペシャリスト/ゼネラリストについて
まずはスペシャリスト/ゼネラリストがどういった特性を持っている人なのか、説明をさせて頂きます。繰り返しになりますが、どちらが良い悪いという話ではないです。
スペシャリストとは?
スペシャリストとは、ある特定の分野において突出した知識や技術、経験を持つ人を指します。ゼネラリストよりも、スペシャリストのほうが言葉として一般的なので、その仕事内容を想像しやすいと思います。
エンジニア、会計、営業、デザイナーなど、スペシャリストとしての仕事分野はさまざまです。企業においては、管理職ではなくプロフェッショナル職として、現場で成果を残す役割を指すことが多いです。
ゼネラリストとは?
ゼネラリストとは、幅広く様々な分野の知識や技術などを備えた人を指します。ひとつの分野を深く追究するのではなく、幅広い知見と多面的な視野により、さまざまな分野の担当者たちの間にはいって調整をする役割なども仕事内容も多岐にわたります。
また企業においてはマネジメント職として、全体を調整/統括する役割を指すことが多いです。
スペシャリストがいい!と思い込んでる人の勘違い
ココからが本題です。冒頭に申し上げた通り、
得意を伸ばして、一芸に特化しないと生き残れない「個」の時代だよ
ジョブ型雇用が拡大しているので、器用貧乏なゼネラリストは不要
↑のようにスペシャリストがよい!と盲目的に勘違いしている人が知っておくべき、重要な3つのポイントについてお伝えさせて頂きます。
スペシャリストでも「同じことを繰り返しているだけ」ではダメ
スペシャリストだから、ひたすら同じ作業を繰り返すんだ。
(いずれはハンターハンターのネテロ会長のようになれるはず。)
スペシャリスト=一つのことだけをひたすらに繰り返す。というのは大きな勘違いです。生き残るためには、日々の創意工夫と新しい発想が必要です。
例えば、昔は専門職として存在してた「電話交換手」「撮影技師」などは、技術の進歩によって、職業としてほぼ消滅しました。工場の職人さんも、本当に尖った技術を持つ人以外は、機械化によって減少していってます。
さらに今後は、ChatGPTなどのAIによって、「プログラマー」「ライター」などの職業も、付加価値が出せない人は淘汰されていくでしょう。
つまり半端なスペシャリストは「代替可能な作業下請け」になってしまうということです。
真のスペシャリストになるためには、時代の変化やニーズに対応できる力を身につけ、常に自分自身をアップグレードすることが重要です。
スペシャリストでも「他分野の知識」も必要
スペシャリストだから、他の分野については知らないよ。
また別のスペシャリストに聞いて。
先ほどの自分自身のアップグレードに近い話です。スペシャリストとして活躍するためには、自分の専門分野だけでなく、他の分野についても興味/関心を持つことが重要です。他分野の知識を積極的に学ばなければ、価値あるスペシャリストにはなれません。
例えば、投資について知識がない保険会社の営業担当は、理由もわからず投資商品を酷評することがあります。投資について知った上で、保険商品と比較して提案している真のスペシャリストと比較すると、説得力には大きな差が生まれます。
つまり、スペシャリストとして活躍するためには、専門分野以外でも知識を積極的に吸収することで、専門分野に深みをもたせることができます。そうすることで、自分自身の仕事の幅を広げ、より多くの価値を提供することができます。
スペシャリストは「属人化」するので、組織からは評価されづらい
私がやっている仕事は他の人にはマネできない。
なので、会社からは高い評価がもらえるはず。
スペシャリストは、個人として他者にマネできないスキル/知識を持つことが価値になりますが、言い換えると属人化してしまうということです。企業(組織)からすると、個人的に依存し、他者への共有や引継ぎが困難な事業は、リスクとなります。そのため、その瞬間の「成果」に対する評価はできても、組織運営上、成長性/将来性を評価はしづらいです。
つまり、各スーパー営業マンが個人ノウハウで数字をあげている組織より、体系化されたノウハウで多くの人が再現性高く成果をあげられるようにしている組織のほうが、一般的には価値が高いです。「企業」としての競争力を高めたほうが再現性高く、成果をあげることができるからです。
また、フリーランスであっても、属人性が強いと、組織化することが難しくなります。ずっと現場にいたい!ということであれば、問題ないですが事業を拡大することは難しく自分自身が動き続けることでしか仕事が成立しない。というデメリットがあります。
凡人にゼネラリストを勧める理由
それでは、キャリアプランをどのように考えていけばいいのか。について紹介させて頂きます。
市場価値をあげるためには、企業を含め周囲から「需要」をあげる必要があります。つまり「自分は何ができる。」という明確な領域を作り、拡張していくことが重要です。
その明確な領域を作るための「手段」としてスペシャリストを目指す選択肢があります。そして10段階評価で、12点、13点をとれる「本物のスペシャリスト」は市場でも大きな価値を出すことができます。しかし、先に紹介した通り、半端なスペシャリストはただの下請け作業者になってしまいます。
かといって、平均点(5点)だけの人材は、何ができるかがわからないので、市場価値を上げることは難しいです。。じゃあ、どうするのか?
私のオススメは「複数の得意領域(7、8点)をかけ合わせて希少性を出す」です。これは、一つの分野で10点以上を出すことができない、私のような「凡人」に非常に向いてる戦略です。
営業ができるプログラマーは、自分自身を売り込むことができます。また、顧客が求めているシステム要件をヒアリングして真のニーズを引き出すこともできるので、ただ言われたことを実行するプログラマーと比較すると圧倒的に市場価値が高いです。
反復の定型作業が多いバックオフィス業務をITを使って効率化することができれば、生産性という観点で大きな効果があるので、企業としては非常に欲しい人材です。
またマーケティングの中で、発信するコンテンツのデザインは重要な要素です。自分自身でデザイン作成できること、もしくは他者が作ったデザインの良し悪しを的確に指摘できれば、間違いなく優秀なマーケターとして他者と差別化できます。
このように、1つの分野で唯一無二のスペシャリストでなくとも、複数の得意分野をかけ合わせるとで、市場価値を上げることが可能です。
ビジネスにおける「得意領域」をつくる方法
それではどうやって得意領域を作っていくのか?という話です。自己学習もよいのですが、やはり実務経験を積むことが一番です。そのために、自分が伸ばしたい領域を必要としている企業に転職するという方法が手っ取り早いです。
例えば、ベンチャーであれば必然的に様々な業務の実経験を積むことができ、そこから更に得意領域を特化させるために、大手企業に転職するなど、様々なプランを考えることができます。
私自身のキャリアとして「中堅企業→メガベンチャー→スタートアップ→超大手」と仕事内容をズラしながら転職を繰り返したことで、マルチプレイヤーでありつつ、一定の専門領域/強みをつくることができました。
さらに具体的な転職に対する考え方/プランについては、「軸ずらし転職2.0|人生100年時代の生存戦略」という記事で紹介しておりますので、是非、ご覧ください。
まとめ:市場価値をあげるためのプランが重要
最後に本記事で紹介した内容をまとめさせて頂きます。
スペシャリスト偏重な情報が多いように感じたので、本質的なキャリアプランを考えるきっかけになればいいなと思い、記事にしてみました。
似た内容で「長所を活かすために短所を鍛える」という記事も作成しております。共通しているのは、与えられている武器(特性)は個人ごとに違うので、自分自身の価値を最大化する方法を頭を使って考えましょう。ということです。
このブログではビジネスパーソンの「市場価値をあげる仕事術」「転職に必要な考え方」を紹介してますので、よかったら他の記事もご覧ください。
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