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内なる可能性を見つけ出す「コーチングが人を活かす」:オススメ本の要約

ビジネス本
この記事で解決するお悩み
  • 初めて部下(子ども)を持ったが、どう接したらよいか自信がない
  • つい一方的に話してしまい、相手の自発的な動きを引き出すことができない
  • なんとなく不満そうな相手にどう接したらいいか悩んでいる

変化が非情に激しい昨今は、仕事においても正解を見つけることは非情に難しいです。そのため、昔のように、上から一方的に指示を与えるだけでは、問題は解決しません。

今、企業(特に管理職)に求められているのは、問いかけながら一緒に正解を見つけていくアプローチです。つまり”コーチング”のスキルです。

いやいや、そんなこと言われてもどうしたらいいのか、分からないよ。

コーチングを勉強する方法って何かあるの??

累計20万部のベストセラーで、日本でコーチングがビジネス、教育/子育て、スポーツなどに幅広く活用されるきっかけとなった「新 コーチングが人を活かす」がオススメです。

全62項目の具体的なテクニックが紹介されておりますが、この記事ではその中でも特に重要だと思った項目だけにギュッと凝縮しました。コーチングとは何か?具体的な実践テクニックが知りたい!という方は是非、ご覧になってください。

ぽりん
ぽりん

ちなみに管理職ではない方にも、読んでいただきたいです。なぜならば、この記事のテクニックを学べば”セルフコーチング”ができるようになるので、自己解決の能力が飛躍的に向上するからです。

動画でも解説してます!!

聴く読書:Audible」なら無料で視聴できます。よければ、こちらもお試しください

コーチングが必要とされる「3つの理由」

コーチングとは、「答えは必ず相手の中にある」という考えのもと、2人で一緒に課題を探索し、相手の発見をうながすものです。

なぜ、コーチングが必要とされているのか?を理解することで、より興味が持てると思います。

理由1:何が正解かが簡単に見つけられなくなってきている

上司や先輩が、「こうするんだ」と指示をする「ティーチング」では、前例のない事態には対処できません。誰も正解を知らない課題を解決するには、一緒に解決法を探り出していくようなコーチングというアプローチが必要です。

ぽりん
ぽりん

コーチングする側の人間が、答えに誘導してしまう「コーチング風ティーチング」には注意です。コーチングをする側/される側で上下関係を作らないことが望ましいです。(特にディスカッションをしている間は)

理由2:組織における多様性の拡大

世代、国籍、ジェンダーなど組織の中の多様性は拡大しています。そのため価値観が異なる人と方向性を合わせていかなければいけません。そのために、コーチングは価値観が異なる人の方向性を合わせて、未来を描いていくために有効です。

理由3:改革(イノベーション)を求める声の高まり

現在の変化が激しい時代を生き残るために、企業には改革(イノベーション)が求められています。しかし単純に挑戦しろと言うだけでは、人の行動は変わりません。失敗を恐れず挑戦をうながすための、問いを投げかけ、視座を上げ、視野を広げ、視点を変えるコーチングが必要となります。

コーチングで人を活かす「4つのステップ」

本書では62の具体的なテクニックで紹介されていますが、この記事では、大きく4段階に分けて、紹介をしていきます。コーチングの全体像を理解していきましょう。

  1. 相手と信頼関係を築く
  2. 目標/ゴールを設定する
  3. 課題の本質を見極める(具体化→抽象化)
  4. 行動を応援し続ける

STEP1:相手と信頼関係を築く

コーチングにおいて、両者の信頼関係は非情に重要です。当然ですが、信頼していない人に心を開いて何かを話そうとおもいません。そのために、コーチは「あなたに興味を持っています。もっとあなたの事を教えて欲しい」と心から思い、相手に信頼してもらうことが重要です。

心がけこそが一番重要ですが、思うだけでは伝わりません。「あなたに興味がある」という思いを相手に伝えるためのテクニックを紹介していきます。

あいづちを意識する

あなたは普段、どのくらい「あいづち」を意識していますか?気持ちよく話をしてもらうには、あいづちが非情に重要です。むしろあいづちさえ上手にできていれば、相手はどんどん心を開いて自分の話をしてくれます。

上手な「あいづち」をするポイント
  • 声のトーン・大きさ(◯:明るい、✕:暗い)
  • 顔の表情(◯:笑顔、✕:無表情)
  • タイミング(◯:適度、✕:早すぎ/遅すぎ)
  • あいづちの言葉(◯:うんうん、✕:へー)

あいづちは無意識にうっていますので、自分がどんなあいづちを打っているか、客観的な情報(録音してみる、他人に聞いてみる)に触れてみましょう。きっと改善したほうが良い点が見えてくるはずです。

自分の気持ちを話す

人が他人を信頼するのは、相手の気持ち(感情・思い)に触れたときです。なので、信頼をしてもらうために、自分がどのように思っているかは、積極的に伝えるべきです。

「いいですね〜。僕までうれしくなります。」「そんなことあるんですね、驚いちゃいました。」など、応答に”自分の気持をはさみ込む”ことを意識すると、相手から信頼してもらうことができます。

ぽりん
ぽりん

実際にコーチングをやっている人でも、”自分の気持ち”を上手に言える人、言えない人で大きくパフォーマンスに差が出ると紹介されております。

STEP2:目標/ゴールを設定する

コーチングにおける会話のテーマは「目標」に関することが多いです。そして「目標=理想的な姿」を可能な限り、具体的にイメージすることで、理想に向けて頑張る原動力を生み出すことができます。逆に、ゴールが定まっていないと行動・努力を続けることは難しいです。

まずは目標について、じっくり話すことが最重要です。しかし行き詰まる時もあると思います。そんな時に、目標を見つめ直すテクニックを紹介します。

視点を変える質問

自分の内側にある夢・目標をはっきりと認識出来ていない人も多くいます。そんな時、内側にある本当の欲求を見つけ出すために、コーチは視点を変える質問をして、一緒に内面を探していきます。

例)視点を変える質問
  • もしなんの制限もなく、なんでも自由にできるとしたら、どんなことをしてみたい?
  • 子どもの頃に持っていた好奇心を失っていないとしたら、どんな夢を追っていると思う?
  • 10年後のあなたは、今のあなたにどんな夢を追求してほしいと思っているかな?

など、「もし〜〜、仮に〜〜」など仮定の話から、意識に底に沈んでいた本当の夢を一緒にみつけていくのもコーチの仕事です。

イヤなことを30分話す

夢・目標が見つからないという時に、使えるもう一つのテクニックは、「何をしたくないのか?」「嫌なことはなにか?」について話すことです。

人は嫌なことに敏感なので「やりたいこと」より「嫌なこと」のほうが話しやすい場合もあります。そして、嫌なことをしっかり30分くらい話したら、そこから対比することを思い浮かべると、「本当はやりたかったこと」が思い浮かんでくる場合もあります。

ぽりん
ぽりん

思いっきりネガティブなことを話すことも、時には大事です。ただし、ネガティブな言葉ばかり使ってしまうと、本当に気持ちが暗くなるので、時間を区切って実施することをオススメします。

STEP3:課題の本質を見極める(具体化→抽象化)

信頼関係を築いて、大きな目標が決まったら、目標を実現していくための方法を一緒に考えていきます。コーチングされる側が自分自身でも気づいていない内面を、言語化しながら具体化していくのがコーチの役割になります。

コーチングで一番時間がかかって、難易度が高いポイントになりますが、実践で使える汎用性の高いテクニックを紹介していきます。

チャンクブレイク:かたまりをほぐす

人は物事を大きな一つのかたまりとして、記憶したり/思考する傾向があります。

例えば、以下のような会話があったとします。

コーチ:A社の案件どうなってる?
担当者:ちょっとうまくいってないです。

というザックリとした回答が返ってくると思います。これでは本質的な問題や、具体的に何が発生しているかを把握することはできません。そこで、チャンクダウン(=かたまりをほぐす質問)をしていきます。

コーチ:うまくいってないというのは、具体的にどこが?
担当者:なかなかチームのメンバーを束ねるのが難しくて。
コーチ:どんなところに難しさを感じてるの?
担当者:A君の自己主張が強いんですかね。
コーチ:そうなんだ、A君は何を強く言ってくるの?

コーチングで最も使うことになるのは、このチャンクダウンです。会話を通じて、相手の頭の中でボヤッとしている事を、言語化していく手伝いをするのがコーチの重要な仕事です。

ぽりん
ぽりん

一方的に聞きすぎて尋問みたいにならないよう注意しましょう。

「STEP1のテクニック(あいづち、自分の気持を伝える)」を有効活用してくださいね!

”なぜ”のかわりに”なに”を使う

具体的な話を聞くために、チャンクダウン(かたまりをほぐす)は非情に重要です。ただし、注意点があります。それは、「”なぜ”を使いすぎると尋問されているように感じ、本心を話しにくくなる」ということです。

なぜ:なぜ、目標達成できなかったのですか?
なに:なにが、目標達成の障害になったのですか?

「なぜ」だと詰められている感じがありますが、「なに」だと客観的な回答ができそうじゃないですか?こういった小さな積み重ねが、内面を深く理解するために非情に重要です。

チャンクアップ:かたまりにする

望んでいる状態(目標)=現在の状態+行動

これがコーチングの基本公式で、「STEP2:ゴール設定」「STEP3:課題の見極め」がまさに公式をうめていくための情報を集めている作業になります。

チャンクダウンで具体的な行動にまで分解できたら、次はチャンクアップでかたまりにします。

例としては「やることが3つ決まったけど、その3つを確実に実行に移すために、いつも持ち歩ける、支えになるような言葉はないかな?」みたいな感じです。

これから”行動”を継続するために、望んでいる状態をイメージできるキャッチフレーズを作る手伝いをするのがコーチのお仕事です。

ぽりん
ぽりん

「具体化→抽象化→具体化」という思考の移動は、問題の本質を見つける時に非情に重要なスキルです。「具体⇔抽象 思考トレーニング」という本もオススメです。要約記事もご覧ください。

STEP4:行動を応援し続ける

コーチングはとにかく「行動」がすべてです。コミュニケーションを交わした結果「相手が気持ちよくなったかどうか」は二の次で「実際に相手が行動を起こしたかどうか」がコーチングの価値を決める唯一絶対の基準です。

そのために、コーチは行動を応援しつづける必要があります。

相手をサポート(承認)し続ける

目標が決まったとしても、それに向かって行動し続けられる人ばかりではないです。何か理由をつけて、行動を辞めてしまいます。

そのために、コーチは「どんな行動をしたか教えて欲しい。いつでもサポートをしたいと思っている。」ということを相手に伝えます。そして、実際に数日したら、状況の確認をする連絡をします。

そして、行動した結果を「承認し続ける」ことが大事です。小さな成功に光を当て続けることで、「コーチは自分を認めてくれている。成功に向けて支援してくる。」と思ってくれます。そうなれば、二人の間に強い信頼関係がうまれ、目標に向かって行動を続けることができます。

ぽりん
ぽりん

一人で頑張り続けるのは、限界がきます。

でも「自分を信じて、応援してくれている。」人がいれば、頑張れそうな気がしませんか?

心に火をつける

どこまでいっても、行動するかどうかは本人次第です。そのためにコーチができることは、なりたい姿を明確にしたり、行動を具体化したり、応援し続けることです。

しかし、コーチとして最後のひと押しをする必殺技があります。それは相手に「ストレートに行動のリクエストをする」ことです。もちろん必殺技なので、関係性がしっかり構築できた、ココぞ!!という時に使ってください。

「これは絶対にやってくださいね。あなたを信じてます。」

相手の目を見て、心からの言葉で相手に伝えてください。これに相手も真剣に答えてくれたら、コーチとして、信頼関係をしっかりと構築できていた証になります。相手の心に火がついて、自発的な行動を始めるはずです!

まとめ:コーチングで主体的な人材を育てる

改めてになりますが、コーチングとは対話を通じて、内面にある可能性を一緒に見つけることです。そして、最終的にな目的は「主体的に行動できる人材を育てていく」ことになります。

ポイント
  • コーチングが必要な3つの理由
    • 誰も正解をもってない課題に取り組まないといけない
    • 組織における多様性が拡大している
    • 改革(イノベーション)が必要になっている
  • コーチングで人を活かす「4つのステップ」
    • 相手と信頼関係を築く
    • 目標/ゴールを設定する
    • 課題の本質を見極める(具体化→抽象化)
    • 行動を応援し続ける

この記事で紹介した以外にも、「コーチングの達人になる自己研鑽の方法」「チーム・組織単位でのコーチング」など、全62項目の具体的なテクニックが紹介されています。この記事で紹介した考え方の応用ですが、気になる方は是非、本書をお読みください。

聴く読書:Audible」なら無料で視聴できます。活字が苦手な方は、こちらもお試しください

この記事で紹介したコーチングテクニック(特にSTEP2〜4)については、セルフコーチングにも活用できます。自分自身と心の中で会話しながら、目標設定→行動の具体化→行動を継続を実施していくことで自己解決の能力が向上します。

ぽりん
ぽりん

ちなみに、セルフコーチングは頭の中だけだとうまくいかないです。目標や課題などを紙に書き出しながら自分に問いかけると頭が整理されて、うまくいきますので試してみてください。

また、チーム/部下のマネジメント、子育て/教育に悩んでいる方には、以下の本もオススメです。対話を通じて、一緒に考えていく、寄り添うような姿勢が重要だというテーマはいずれの本も共通です。しかし、様々な本で、複数の視点を得ることで、より自分自身の知識に定着しますので、お時間があれば是非!!

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