ベンチャー企業で働くのって実際のところどうなの?興味あるけどよく分からないので怖い。という方は是非、この記事をご覧ください。
私は以前、ベンチャー企業で働いていました。「サービスの立ち上げ ⇒ 組織の拡大 ⇒ 市場シェアNo.1を獲得する」 までを経験しており、メリット/デメリットをリアルな視点でお伝えできると思います。 ⇒プロフィール
そもそもベンチャー企業ってなに?、働くメリット/デメリットは?、どんな人が向いてるの?を一般論と私の体験を元に説明したあとに、
実際に働いてみてどうだったか??(リアルな感想)
を書かせて頂きます。結論だけ先にお伝えすると「長い人生、一度はベンチャーで働いてみるのもあり!人生の選択肢が大幅に増えた」です。この結論に至った理由だけ見たい人は、目次からスキップしてください。
ベンチャー企業とは?
「資本金が〇円以下で、従業員が〇人、設立年数が〇年以下」というようなベンチャー企業の明確な定義はありません。一般的な言葉の使われ方として、新しい技術やビジネスモデルを展開し成長する企業、つまり「新規性」「成長性」を持った企業のことをベンチャー企業と呼んでいます。また新しい技術/ビジネスモデルとなると、必然的にIT技術を使った企業が中心となります。
また、「ベンチャー企業」と似た言葉に「メガベンチャー」「スタートアップ」があります。明確な定義はありませんが、企業の成長フェーズに応じて以下のように使い分けされるようです。
メガベンチャーは、「新規性」「成長性」もったまま、規模が数百人〜数千人に拡大した企業を指します。規模が大きくなると、変化よりも安定性を重視するようになりますが、ベンチャーのマインドを残したまま変化を好み、新たな事業創造を続ける企業が、メガベンチャーと呼ばれています。
スタートアップは、会社を立ち上げて間もないベンチャー企業のことを指します。まだ企業の体制や事業も定まってない時期です。従業員も数名で、未来のメガベンチャーを夢見て、今日もどこかで新しく設立されています。
ということで、厳密な定義はないので、この記事ではスタートアップもメガベンチャーも含めて、社員の自主性を重んじ、新規事業のチャレンジを続けている企業を「ベンチャー企業」と表現します。
ベンチャー企業で働くメリット
ベンチャー企業で働く魅力は、以下があげられます。どれも中堅/大手企業では手に入りにくいメリットです!順番に説明していきます。
- 成長するチャンスが圧倒的に多い
- リーダー/マネジメントの経験
- 自分の成果=企業成長=給料UP
- 一攫千金の夢がある(ストック・オプションの付与)
成長するチャンスが圧倒的に多い
人が成長するのは「自分で考えて行動する」時です。結果は失敗でもよいです。自分で試行錯誤して経験をつむことが、最速で成長する方法です。
ベンチャー企業では、前例のない仕事が大量に存在します。また一人一人に与えられた業務範囲が広く、裁量も大きいです。つまり自ら考え行動する主体性が求められ、必然的に考えて行動して、失敗を繰り返すことで成長することができます。
一般的な企業だと多くの業務に前例があり、先輩社員に確認する、もしくはマニュアルを見れば解決するので、どうしても主体性を出せる範囲に制限があります。
当時の同僚たちとベンチャー企業を「精神と時の部屋」と呼んでいます。ベンチャー企業での濃密な1年は、通常の5年分くらいの成長が実感できるよね。ということが由来になってます。笑
※「精神と時の部屋」とは、ドラゴンボールに登場する特殊な部屋です。部屋の中の1年は、通常の空間で1日です。つまり他の人からみると、1日で1年間分の修行をしてきたように見えます。
リーダー/マネジメントの経験
ベンチャー企業は、事業の成長にともなって、人もどんどん増えていきます。そのため、成果を出すと早い段階で組織のマネジメントを経験することになります。
ここで言うマネジメントは、人のマネジメントだけでなく、組織のマネジメント(チーム目標の設定/達成手段の検討など)も含まれます。つまり大企業であれば部長/本部長レイヤーで求められるレベルの仕事まで、早期に経験できる可能性があることも大きな魅力です。
また経営層との距離も近いので、必然的に会社を経営する側の視点になるので、視座が高くなります。会社目線/事業目線で物事を考えられるようになるので、ビジネスマンとしてのレベルも向上します。
自分の成果=企業成長=給料UP
ベンチャー企業では、年功序列ではなく成果主義で評価をする会社が圧倒的に多いです。また企業自体が成長していると「給与」や「福利厚生」が見直されます。
つまり「成果を出す→会社が成長する→給料に反映される」がダイレクトにつながるので、報酬の面でもやりがいを感じやすいこともメリットの一つです。
中堅/大手企業だと、年功序列の給与テーブルがあるので、若手が成果を出しても、あまり仕事をしてない年配社員より給料が低い。という納得感の低い、残念な現象もよくありますよね。
夢がある(ストック・オプションの付与)
ストック・オプションとは、自分の会社の株式を事前に約束した値段で買うことが出来る権利のことをいいます。例えば、1株10円で購入できるという約束をしていて、上場後1株2000円の値がついているときに売却すれば、差額の1,990円得するということになります。
ストック・オプションを持っていたことで数億の資産を手に入れたという人もベンチャー界隈には、結構いらっしゃいます。この魅力に取りつかれて、上場前のベンチャーを渡り歩く人、上場請負人みたいない人もいます。笑
もちろん「上場できるのか?」は不確定要素は大きいですが、一発当ててやろう!!みたいな野心がある方には、めちゃくちゃ魅力的だと思います。
ベンチャー企業で働くデメリット
ベンチャー企業には、もちろんデメリットも存在します。メリットばかりではなく、デメリットもしっかりと説明していきます。
- プレッシャーが大きい
- 業務量が多い(とにかく忙しい)
- 丁寧な教育はない
- 福利厚生/保証が手薄い
プレッシャーが大きい
キャンペーンの立案、新しい社内オペレーションの実施、など新規企画などは積極的に実施して失敗から学ぶ姿勢を大事にするのがベンチャー企業です。
しかし、規模が小さいので「この商談がうまくいかなければ、資金ショート(つまり倒産)してしまう。」というどうしても失敗できない仕事が存在しているのも事実です。そしてそこまで大規模な商談でなくとも、個人の成果が、会社の経営に大きな影響を与えるので、必然的に一人ひとりのプレッシャーは大きいです。
このプレッシャーは「やりがい」が大きいと言えるかもしれませんが、デメリットと感じる人もいると思います。
業務量が多い
ベンチャー企業は、知名度/信用度が低いうちは、人の採用に苦戦します。なので常に人手不足で、1人に割り当てられる業務量が多くなりがちです。
また定型業務は少なく、自ら考えて思いつく限り、仕事は無限にでてきます。
これが先程の「プレッシャーが大きい」と組み合わさると「何かをしていないと不安になる」といった気持ちから仕事をしてしまうこともあります。
このような行き過ぎた環境はデメリットになりますが、適度なプレッシャーは、会社にとっても個人の成長にとっても、悪いことではないので、バランスが重要です。
後述しますが、私はこのプレッシャーと業務量のバランスを崩して、ワーカーホリック(仕事中毒)→バーンアウト(燃え尽き症候群)になっちゃいました。笑
丁寧な教育はない
上述の通り、ベンチャー企業で働く人はめちゃくちゃ忙しいです。なので、大企業のようにじっくり基礎研修をして、手取り足取りおしえてくれるようなことはありません。また仕事もどんどん変化するので、定型化された業務マニュアルも存在しない場合が多いです。
何も教えてくれない。ということはないと思いますが、基本的には自分で学ぶ。そして、分からなければ何をわからないのかを明確にして相談するなど、自主的な姿勢が求められます。
福利厚生/保証が手薄い
大手企業だと、『家賃手当(社宅)、家族手当、保養所の利用、退職金』などなど、給料以外に様々な福利厚生があります。そのため、条件に合致した場合、給料以上に会社側が、個人の生活を保証してくれています。
また病気などで休職せざる負えなくなった場合、国からの保証に上乗せして会社からも補助金がでたりするケースもあります。(もちろん会社によりますが。)
ベンチャー企業にはそういった福利厚生/保証が充実している企業は少ないです。特に女性の場合、産休/育休制度が整備されていないことから、お仕事を続けにくくなってしまうケースもあります。(最近は女性だけでなく、男性の育休制度も大事ですね。)
ベンチャー企業でも、福利厚生として、図書購入/研修参加などの自己研鑽系、取引先との会食費用については、惜しみなく経費をかけている会社が多い気がします。人の成長/交流には会社がお金だすけど、個人の生活は自己責任でヨロシク!ってスタンスです。(これはエビデンスがあるわけではなく、完全に私の主観です。笑)
ベンチャーに向いてる人/向いてない人
メリット/デメリットを紹介しましたので、次は「どんな人がベンチャーに向いているのか?」逆に「向いていないのはどんな人なのか?」について、私が一緒に働いていた多くの仲間達のことを思い出しながら、書いてみたいと思います。
とにかく、自分で考えて動ける人、そして成長意欲(野心)があれば、ベンチャーに向いていると思います。とにかく自分で成果を上げてやる!!というタイプだと、自分の成果が会社の成長に直接つながっている実感を得やすいので、やりがいを感じやすいです。
また「タフな人」という条件も結構大事かなと思います。なんせ、ハードワークですので体力的なタフさは必要ですし、思いもよらない事態が頻繁に発生するのでピンチすら楽しめる精神的なタフさもあると、ベンチャー向きだと思います。
裏返しのような話になりますが、ベンチャー企業に向いていない人の特徴は以下になります。
一例になりますが、国立大学→大手企業の経歴の方が、ベンチャーに挑戦したいということで、一緒に働いたことがあります。彼は「何事にも学校の勉強のように正解がある」と思っており、常に正解を教えてください!というスタンスでした。
しかしベンチャーでは、前例がないのでやってみないと分からない。という仕事がたくさんあります。つまり正解は誰にもわからない、保証はできないので「やってることを正解にする」という感覚が必要になります。
失敗してもいいので、チャレンジする、失敗から学んで次回に活かせれば、誰も責めないのですが、それが根本的に理解できない。という感じでした。受験/大企業での働き方は減点方式なのが、大きく影響していると思います。(結果的に、彼は退職してしまいました。)
記憶力/情報処理能力はめちゃくちゃ高く、ハイスペックな方でしたが、受動的で他責思考な人はベンチャーには向かないのだな。と感じたエピソードでした。(良い悪いではなく、向き不向きの問題だと思います。)
実際に働いていみてどうだった??(リアルな体験談)
冒頭でも書いたとおり、「長い人生、一度はベンチャーで働いてみるのもあり!人生の選択肢が大幅に増えた」というのが結論になります。
私は途中で少し触れたとおり、プレッシャーと業務量によって「仕事をしていないと不安となり、仕事中毒」になりました。そして、そんなバランスを崩した生活を続けているうちにうつ気味(燃え尽き症候群)になってしまい、ベンチャー企業を辞めました。
それなりに大変な経験もしましたが、ベンチャー企業で働いたことに、一切の後悔はないです。なぜなら、成長/経験は自分自身の財産になったからです。
ベンチャー企業という「精神と時の部屋」の修行のおかげ(※「働くメリット」章を参照)で、自分の市場価値は大幅にあがってました。低学歴なので新卒時には書類落ちしていたような大手企業から複数のオファーを頂くことができ、人生の選択肢が大きく広がりました。本当にありがたい限りです。
私は、たまたまたどり着いたルートでしたが、「年収を上げたい」「ワークライフバランスも重視したい」の両方を実現するためには実績と実力が必要です。私のようにバランスを崩すほど、仕事をする必要は無いですが、仕事に没頭して市場価値をあげることに集中する期間があっても良いと思います。以下の記事で転職戦略の全体像について紹介してます。
ココまで読んで頂きありがとうございます。ただ、それでも不安がある方へ、私なりの見解とエールをお送りさせて頂きます!!
またポジティブに考えると入ったベンチャーがうまく行って、10年後にメガベンチャーになって、創業初期メンバーとして億万長者になる可能性だってあります。(夢がありますよね〜〜。笑)
ベンチャー企業への転職に興味を持った場合、転職エージェントに相談してみることをオススメしてます。ベンチャー界隈の、情報流動性は非常に高いので、最新情報はプロに相談するのがベストです。オススメサービスを比較/紹介している以下の記事をご覧ください。(転職エージェントさんとの上手な付き合い方もまとめてます。)
最後に、この記事を読んで、ベンチャー企業に興味がある、でもまだ怖い。もっと色々聞かないと判断できない。という方は、相談にのりますので、Twitter(@POLIN_ITJOB)、または「お問い合わせ」までお気軽にメッセージください。
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