突然ですが、こんなマネージャー(管理職)の方をどう思います??
- 一方的なスピーチでやる気を鼓舞しようとする
- 細かいオペレーションにまで指示を出す
- 日報や週報などの報告書作成にとにかく時間を使っている
よくいるダメ上司。ウチもまさにこんな感じだ。
こんな事されても「やる気」も「効率」もあがらないよ〜〜
ただ、実際に多くのマネージャーが「良かれ」と思って上記のような行動をしています。成果を出す優秀なリーダー何が違うのでしょうか?優秀なリーダーの「秘密」を知りたくないですか?
私、管理職じゃないので関係ない。。
って思ったあなた!ちょっと待ってください。リーダーとは何も管理職に限ったことではありません。例えばフリーランスとして共同プロジェクトを進める時のリーダーになる、社内で若手中心の企画のリーダーになる。規模を問わず、チームのリーダーになる機会は少なからずやってきます。
小さなプロジェクトで成果を出すことで、より大きなチャンスを手に入れることができます。
機会は突然やってきます。優秀なリーダーとしての立ち振舞を知っておいて損はないです。
この「秘密」を解明しているのは、「AI分析で分かった トップ5%リーダーの習慣」という本です。約3500人、1400時間以上の行動データ(メール、チャット、電話、オンライン会議、移動履歴など)を蓄積し、AIと専門家で分析し、成果を出し続けるトップ5%リーダーの行動の共通点を抽出しました。
本記事では、上記3つを達成するための具体的な行動/手法をご紹介します。実際に行動を取り入れた平凡なリーダーでも多くの成果を出しています。「成果を残すための最短距離の仕事術を知りたい」って方は必見です。
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ちなみに本書は、「AI分析で分かった トップ5%社員の習慣」の続編です。プレイヤーとして優秀な社員の習慣について知りたい方は以下の記事も是非、ご覧下さい。
「社員」と「リーダー」の2冊での大きな違いは2点あります。1つ目はタイトルの通り、チームで成果をあげるリーダー(マネージャー)としての行動にフォーカスしています。2つ目はコロナ後の状況での調査になっているので、テレワークなど昨今の勤務事情が加味されています。
前置きが長くなりましたが、本記事で紹介する情報が少しでもお役に立てば幸いです。
「AI分析で分かった トップ5%リーダー」の特徴
1.心理的安全性を高めてパフォーマンスを最大化する
心理的安全性とは、米Google社が自社の生産性向上のために調査する過程で再発見した言葉です。ざっくり説明すると「拒絶されることがなく、罰せられる心配もない状態」だと、心理的安全性が高く、従業員のパフォーマンスが上がります!ということです。
5%リーダーはチームが目標達成することを第一に考えています。そのためには、メンバーの協力が必須であり、最大限のパフォーマンスを発揮してもらう環境づくりに注力していることがわかりました。
1-1.ゆっくり歩くことで余裕を見せている
5%リーダーは、ゆっくりと移動していることがわかりました。意識的に時間と気持ちに余裕を持たせ、暇なふりをしています。さらにインタビューの結果、本当に忙しくても他人から見ても気付かれないように最新の注意を払っていることがわかりました。
なぜ、暇なふりをして余裕を見せるのでしょうか?
理由は、「メンバーがちょっといいですか?」と話しかけやすくする環境を作っています。この「ちょっといいですか?」という相談の回数が多い組織ほど、コミュニケーションが活発で仕事が効率的に進んでいました。
またリーダーが残業、休日出勤などを頻繁にしている姿を見せることは「もっと働け!」とプレッシャーを与えることとなり、メンバーのモチベーションを下げることにつながります。
リーダーが余裕を見せることで、メンバーが気軽に声をかけやすい雰囲気をつくることができる。コミュニケーションが活性化されチームとしての生産性も高くなっている。
1-2.「伝える」ではなく「伝わる」を優先する
「伝える」と「伝わる」は別です。「伝える」=自分本位であり一方的に話をすることが目的になっています。ちょうど、校長先生のながーーーいお話が全く頭に入らないのと同じですね。
一方で、5%リーダーが重要視する「伝わる」は話を聞く側が主役となります。内容を理解してもらために話し手として、2つの工夫をしてます。
1つ目は、話を要点に絞った伝え方をします。そして、話した後に相手の反応をしっかり見て、理解が乏しいようであれば「何が分からなかったのか」を確認します。
2つ目は、相手が混乱しないように「あれ」「あの」「その」などの代名詞を使わないようにします。あれってどれ??ってなってしまうことで理解度が下がってしまう可能性があるからです。きちんと名称で伝えることで、相手の記憶に2倍以上定着するという研究結果もでています。
話を聞くメンバー側を主役にして、理解してもらうことを最優先する。そのために、話は短く、適切な言葉を使うことを心がけている。
1-3.会議の最初2分間は雑談をする
5%リーダーは会議を活性化させるために、必ず雑談からスタートします。雑談なんて意味があるのか?と思われるかもしれませんが、いきなり本題に入った場合と比較して、発言数が2倍になることが分かっています。
たしかに、知らない人や役職者が参加する会議だと、変なこと言って怒られるの嫌で黙るかも。
最初に和やかな雰囲気で始まれば、発言しやすいのはよく分かる。
雑談の内容は、「お昼ってお弁当?コンビニ?」「今日、雨降るらしいよ。傘持ってる?」など、なるべく多くの人が参加できるテーマが望ましいです。
雑談をすることで、発言の心理的なハードルを下げている。結果的に、発言数が増加することで効率的な会議を実施することができる。
2.成果を出し続ける仕組み(チーム)を作る
5%リーダーは、自分がメンバーより能力が上である必要はないと考えています。重要なのは成果を上げ続けるチームを作ることで、リーダーとはあくまで役割でであると捉えています。そのため、チームとして最高のパフォーマンスを発揮する「仕組みを作り」と「役割分担」にも注力していました。
2-1.メンバーの特性を深く理解する
成果を出すためには、メンバーそれぞれの能力、価値観を深く理解する必要があります。理解しているからこそ、最大限の力を発揮できる役割分担をすることができます。
そして理解するために、自分が話すよりメンバーに話してもらう時間を大事にしています。なので、5%リーダーは聞き上手です。返事にも多様なリアクションを持っており、さらにゆっくり大きくうなずき、会話しやすい雰囲気を作っている。
はいはい!って言われると、聞き流されてる気がする。
しっかり頷いてもらえると、安心して話せる
チームとして最大のパフォーマンスを発揮するために、メンバーの特性をしっかり理解している。そのため、5%リーダーは話を聞くための様々なスキルを持っている。
2-2.やる気を当てにしない
やる気(モチベーション)は効率を高めるための重要な要素です。しかし、5%リーダーは目標達成のための要素にやる気を入れません。感情はとても不安定なので、プライベートなことで、カンタンにやる気はなくなってしまいます。それ以外でも、クレーム対応などはやる気が出にくい仕事も存在しています
つまりやる気をあてにするのは、目標が達成できないリスクを高めてしまうことになります。そのため、やる気がなくても仕事が前に進む仕組み化をしています。
人間のモチベーションを完璧にコントロールすることは不可能。そのため、やる気に依存せずに、仕事が進む仕組みを作っている。
2-3.先にやめることを決める
多くのビジネスマンは、毎日メール、電話、報告、などで多忙です。そして、優先順位をつけられないまま、目の前の仕事から片付けてしまい、急ぎじゃないけど重要なものを後回しにしてしまいます。
しかし本当に必要なのは、時間をかけて仕事を処理することではなくて、重要な仕事に集中して成果を出すことです。5%リーダーはそのためにまず「辞めること」を決めています。
例えば、会議のための会議、使わない社内資料作成、などムダなものはバンバン辞める決定をしています。なので新たなことにチャレンジし続けているにも関わらず、一般的なリーダーより労働時間は短い傾向があります。
使える時間は有限。仕事の効率を高めるためには、やることを決めるより、やめることを決めたことが重要。また慣習にとらわれず、リーダーが率先して、ムダなものを辞めていく。
3.仕事を前に進める決断をする
どのアイデアを採用するか、人や予算の管理はどうするか?などリーダーには、決めることが山ほどあります。8000時間の録画分析の結果、5%リーダーは決断数が平均より25%多くて、速度は1.3倍早いことがわかった。この積み重ねで仕事が進む速度が全然違ってくる。
ただし、一か八かのギャンブル的な決断はしません。一般的なリーダーは成功例を真似しようとするのに対して、5%リーダーは失敗例を分析して、失敗率を下げることに力をいれています。
圧倒的な成果を出し続けるには、確実に成功に進んでいくということが重要。そのため同じ過ちを繰り返すムダを避けるため、失敗の分析に力をいれる。
5%リーダーの行動を実践した結果
既に『「会議の冒頭2分に雑談を入れる」ことで発言数が2倍になった。』という事例については、ご紹介させて頂きましたが、他にも5%リーダーの行動を取り入れることで素晴らしい成果を出すことができております。
大きくうなずくことで働きがいを16%UP
5%リーダーが実践している聞き上手なリアクションを真似することで、心理的な安全性を高めることに成功しました。具体的には、1on1実施時に、以下の3つをルールとして実施しました。
- 意識して大きくうなずく。(オンライン対話では画面から顔がはみ出すくらいに)
- 意図的に普段よりゆっくりうなずく。
- 相手が話し終わったと思ったら、心の中で「うん」と言って1ワンポ開けてから話しはじめる
さらに、1週間で「やめても困らない業務はなかったか?」という振り返りを一緒にすることで、業務改善が進み、残業時間を18%減らすことにも成功しています。
結論ファーストな伝達で巻込み力が3倍に向上
長い支持、文章は結果的に、相手に伝わらないので、なるべく端的にすることで聞き手に伝わりやすくしました。具体的には、指示の依頼分で、以下の3つを実行しました。
- 依頼したい内容(結論)を冒頭に入れる
- 次に実行することのメリット
- 最後に、実行するためのハードルを下げる
具体的な文章を紹介します。
業務効率化の為に、経理システムを入れ替えます。ついては今後、経費精算する時は、承認者の名前も全て追加入力してから申請するようにしてください。もし承認者の氏名が記載されていない場合は、経費の振り込みが遅れる可能性がありますのでご理解下さい
今後経費精算には承認者の氏名を入力してください。経費の支払いオペレーションが自動化する新システムを導入したためです。このリンクをクリックしていただけると、すぐに確認ができます
実際に、文章を切り替えた所、支持依頼書の通りに行動をしてくれる人が78%に増加しました。
2人組制度で有給取得率が1.3倍に向上
毎年上がっていくチーム目標を達成し続けるには、一個人の力に頼るのは危険です。そのため、5%リーダーは、チーム力の向上を最重要とします。具体的には、エース級の社員と2人組で仕事をするようなフォーメーションに変更しました。
- 突然の休暇や不測のトラブルに対して迅速に対応できる
- エース級メンバーの持つスキルやナレッジを水平展開する
上記のような効果を期待しての施策で、思惑通りの結果が出ておりました。また最大の変化としては、エース級社員の有給取得率が改善したことで、労働環境の満足度が大幅にUPしたことです。
メンバーが働きやすい環境を作れたことで、持続的に成果を出し続けるチームと近づけることができました。
まとめ/感想
以下の特徴について、少しイメージをお持ち頂けましたら幸いです。
また記事内では紹介しきれませんでしたが、95%側の一般的なリーダーがやってしまいがちな行動とその弊害、また数値を出すための細かな分析手法など、より詳細な興味深い情報も書かれていますので、是非、ご一読頂ければと思います。
「聴く読書:Audible」なら無料で視聴できます。よければ、こちらもお試しください
最後に、私の個人的な失敗体験をお話します。はじめてマネージャーになった時、自分自信が誰よりも働き続けて、無言のプレッシャーを与え続けてしまった結果、心理的安全性を全く担保できていないチームを作ってしまいました。
いやー、あの時は辛かった。自分がやればやるほど裏目に出ている感じがして、、、
メンバーの皆さんにも申し訳なかったな。
要するに典型的なダメダメリーダーでした。あの時にこの本と出会っていれば、、、なんてことを思いますが、後悔しても過去は変わりません。失敗を経て、自分自身も成長することができたと感じてます。そして、常に先を見据えて学び続けることが大事だということも実体験として知ることができました。
本記事を最後までお読みになってくださりありがとうございます。もしかしたら、今、求めている情報だったのかもしれませんし、今後お役に立つ情報かもしれません。せっかくの機会なので是非、使えそうなノウハウを行動に移していただけると幸いです。
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