ビジネスの現場で、事実と解釈を分けて説明できないと無能扱いされるという話を紹介させていただきます。なぜ無能扱いされるかというと、正確な意思疎通ができないからです。
私の体感でもお仕事をしていて、「この人ちょっとイケてないな、、、」と思う方は、事実と解釈をごちゃごちゃにしてしまっている場合が圧倒的に多いです。
以下のようなことをよく言われる方は、要注意です!!事実と解釈を混同して、相手に話をしてしまっている可能性が高いです。
- つまりどういうこと?実際はどうなってるの?
- それって、アナタの感想ですよね?
- ちょっと何いってるかよくわかんないっすね。
この記事では、「事実と解釈を分けられていない具体的な事例」「改善する方法」を紹介するので、無能な人扱いをされたくない!!って人は、最後までご覧ください。
事実と解釈の違い
まずは言葉の定義から確認していきましょう。
- 事実・・実際に起った/現実の存在する事
- 解釈・・物事や人の言動などについて、自分なりに考え理解した事
ちょっとわかりにくいですね。。具体例で紹介すると
- 事実・・気温が30℃
- 解釈・・あつい
となります。事実は誰がどう見ても、気温は30℃に変わりはありません。しかし、解釈は人によって変わります。30℃を「死ぬほどあつい!!」って感じる人もいれば、「全然過ごしやすい」と捉える人もいます。
まずは事実=客観(誰が見ても同じ)、解釈=主観(人によって変わる)というポイントを抑えてもらえればと思います。
事例で紹介|事実と解釈を混ぜると情報が正確に伝わらない
ココからが本番です。事実と解釈を混ぜるとどんな不都合が発生するのか?営業部門の上司と部下の会話を例に紹介していきます。
チームメンバーからこんな報告をされたら「ぽりんパーーンチ(相手は死ぬ)」ですね。笑
どこがダメなのか説明できますか?もし説明できないなら、それも結構マズイかもです。この後の解説を是非、ご覧になってください。
・発注はもらえたのか?
・貰えていない場合、課題はなに?
↑上司は「事実」を知りたいと思ってます。事実に応じて、対策を考えていくからです。
・説明がうまくいった
・金額に納得いってなさそう
・金額さえクリアすれば大丈夫そう
↑しかし部下は自分の主観=「解釈」を答えています。質問に答えられていないです。
こんな状態なので、上司は部下から会話を通じて事実を確認しようと、何回も質問をしています。
・本当に金額が課題なの?
・他にお客様が懸念と思っていることはないの?
しかし、結局は部下から具体的な情報をもらうことはできませんでした。
このように、事実と解釈が混同されていると、コミュニケーションにムダな工数が発生しています。また部下自身も事実と解釈を整理できていないので、この案件に対して、正しい対策をとることができません。
以下のような報告ができれば、めちゃくちゃ有能な人って感じがしますよね。
お客様に説明した結果、金額が「高い」という指摘があり、発注は貰えませんでした。費用は15%の値引きが希望で、その他の条件については問題ないので、金額さえ折り合いがつけば発注頂けるとのことでした。
パーフェクト!!素晴らしい報告ありがとう!!
後半では、事実と解釈を分ける方法を紹介します。是非、こんなイケてる説明ができるビジネスパーソンになるための参考にしていただければと思います。
改善策|事実と解釈を分けて伝える方法
ココまで読んで頂いた方は、事実と解釈を分けたくてウズウズしていますよね??笑
私は言葉選びのセンス無いから。。と思った方。ご安心ください。訓練で習得可能なので、今日から意識してトレーニングしていきましょう!
対策:自分が伝えたいことではなく、相手が聞きたいことが何かを考えて答える
全てはこの一言に集約されますが、先程の上司と部下の会話を分解しながら説明していきます。
↑質問に対して回答してないです。冷静にみるとめちゃくちゃ奇妙な回答してますね。そして、事実ではなくて解釈を回答しているので、二重でダメダメな回答です。
良くない結果なので、ごまかしたい気持ちがあったのかもしれません。しかし、そんなときこそ事実と解釈をわけて正しく伝えることで、周囲から信頼され、あなたの評価が上がります。
↑まず聞かれたことに回答する。そして、なぜ質問されているのかを考えて、原因となる「事実」を答える。あれや、これや言いたくなる気持ちもわかりますが、相手が聞きたいことに絞って答えるがデキル人の回答です。
続いて、上司と部下の会話の後半部分も解説していきます。
↑お客様が言ったのか?個人の意見として感じたのか?それによって対策が全然変わってくるので、めちゃくちゃ大事な部分ですが、部下は「解釈」しか答えてません。。
↑誰が言ったのかが明確になっており、何をすればよいか上司は「事実」を把握することができました。満点の素晴らしい回答ですね。
しかしこの回答は「お客様の意思をしっかり聞けている」ということが前提になります。どんなに、事実と解釈を分けて説明しても、意思を聞けていなければ、以下のような回答になります。
事実と解釈はしっかり分離されていますので、お客様に理由を確認しなければ。と上司は判断できます。
部下の対応は満点ではないですが、素晴らしいです。なぜなら自分で誰に何を確認しなければいけないか整理することができたからです。そして、次回以降、同じようなケースがあれば、お客様の意思を確認できるようになるはずです。
いきなり全てを完璧にできなくても、事実と解釈を分ける思考を身につければ、上記のように着実にビジネスパーソンとしてワンランク上に進むことができます。是非、今日から意識して取り組んでみてはいかがでしょうか?
まとめ:事実と解釈を分けて「有能」な人材になろう!
「事実と解釈を分けて説明できないと無能」という話を紹介させて頂きました。逆に事実と解釈を分けて説明できるようになることで、以下のメリットを得ることができます。
- 説明が上手になる(コミュケーションロスがなくなる)
- 自分自身で客観的に改善点を見つけることができる
事実と解釈をわけるには「自分が伝えたいことではなく、相手が聞きたいことが何かを考えて答える」を意識して訓練していくしかありません。完璧にできなくても、大丈夫です。日々の積み重ねが、数年後、大きな結果になってきっと返ってくるはずです。
ちなみに、ロジカルシンキングの基礎として学ぶ「雲雨傘の理論」でも同じく事実・解釈・アクションをわけることの重要性が紹介されています。
人と関わるお仕事であれば、必ず活用できるテクニックです。さらに詳しく学びたいということであれば、分かりやすく解説してくれている「コンサル1年目の教科書」という本をご覧頂くのもよいかなと思います。
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