「あなたの強みはどこですか?」
回答に詰まるようであれば、この記事で紹介する森岡毅氏の「苦しかったときの話をしようか」を読んでみる価値があると思います。森岡毅氏といえば、経営不振に陥っていたUSJをV字回復させた実績をもつ、日本最強のマーケターです。
森岡さんほどのビジネスマンが何に苦しんだのだろう??
自分が感じていたツラさと同じ部分はあるのかな?
というのが、本書を手にとったキッカケでした。
内容はツラさに共感できる部分は多々ありましたが、それよりも父から娘に送る「愛」に溢れた内容でした。一般的なハウツー本とは熱量が全く違う。すごい本と出会ってしまった。というのが、率直な感想でした。
父親の愛=最強、著者の森岡毅さんの実績=最強、
つまり最強 × 最強 = 超最強ということです。笑
この本では主に以下の3つについて学ぶことができます。
- 学校では決して教えてくれない、この世界の厳しい仕組み
- 軸が無いから何をすればいいのか迷ってしまう。自分の軸/強みの見つけ方
- 本当に苦しいとはどんな時なのか?その対処方法
努力の方向性を間違えて徒労に終わっている人が非常に多い。自分の価値(軸)をどこにおいて、それをどのように磨いていくのか?という戦略こそ、豊かな人生を過ごすために最も重要なこと。
というのが結論になると思いますが、まずは本記事で概要掴んで頂くと、本自体が読みやすくなると思いますので、最後まで読んで頂けると幸いです!!ではどうぞ〜〜〜
社会は資本家に都合の良い構造になっている
大前提として、「この世の中は平等ではない」ということを認識する必要があります。
外見はわかりやすく、身長、顔の作り、髪質、肌の色、明らかに一人ひとり違う。そして、内面も運動神経、知能指数などに生まれながらの差があります。さらに生まれた環境も、貧乏な家庭と裕福な家庭というだけでも差があります。
当たり前のことですが、世の中は学校ではないので、いい子にしていれば、誰かが何とかしてくれる。という考えは早々に取り払わないといけません。ただ意外とこの考えを捨てきれない大人が多いので、「社会に裏切られた」という被害者意識を持ってしまっている人が多くいます。
そして、「資本主義」で成り立っていることも知っておく必要があります。資本主義社会においては、大きく分けると下記の2種類の人間しかいません。
- 自分の24時間を使って稼ぐ人(サラリーマン)
- 他人の24時間を使って稼ぐ人(資本家)
つまり、資本主義社会とはサラリーマンを働かせて、資本家が儲ける構造を持っているということです。サラリーマン側で人生を過ごした人と資本家側で人生を過ごした人では、生涯収入が驚くほど異なるのです。
労働者が悪いわけではないですが、どれだけ労働者として成功しても得られるリターンは資本家と比較するとあまりに小さいです。常に労働者の外側の世界があることを理解して、自分を活かす機会にアンテナを貼っておくべきです。
自分の軸を見つけて伸ばす
そんな厳しい世の中で、自分がコントロールできることは、3つしか無いです。
①己の特徴の理解、②長所を磨く努力、③環境の選択
逆にいえば、この3つをどのようにコントロールするかで、自分が生きたい人生に近づけていくことができるといえます。
己の特徴を理解する
まず自分が何をやりたいのか?何が強みなのか?を自分が一番正確に知っておく必要がある。これを知らないのは、地図を持たずに旅に出るのと同じ状態です。
「軸」を見つけるには、具体的な〝こと〟から発想するのではなく、〝どんな状態〟であれば自分はハッピーだろうかという未来の理想〝状態〟から発想することが有効です。
「軸」の見つけ方の具体例 ※本書 P102より抜粋
あなたは自分が大人になったときにどうなっていたらハッピーだと思う?幸せになるためにどんな状態であれば良いと思う?「うーん、やっぱり家族がいてちゃんと養える自分でないとハッピーじゃないと思う」と答えた。そこで私はもっとその〝状態〟について彼のイメージの輪郭を聞いていった。家族ということは、奥さんはどういう人がいたらハッピーかな?子供は何人くらいいたらハッピーかな?(なんと子供が3人は欲しいらしい私と同様に日本の少子化と戦うつもりなのか?)その5人の家族をちゃんと養うとはどういう状態のこと?などなど、彼の頭の中の〝ハッピーな大人である状態〟をできるだけ掘り起こしていく。
そして〝強み〟とは、自分の〝特徴〟とそれを活かす〝場面〟がセットで初めて発揮されます。
強みは、Tの人(Thinking)、Cの人(Communication)、Lの人(Leadership)の3つに分類することができます。
- Tの人:考える力/戦略性が強みになる
- Cの人:伝える力/人と繋がる力が強みになる
- Lの人:変化を起こす力/人を動かす力が強みになる
「自分の好きなこと+嬉しかったこと」をポストイットに書き出していって、それを上記の3つの分類に貼っていきます。それだけで自分の特性がみえてきます。複数にまたがることもあっても全然OKです。
この本で一番ボリュームがあるのが、この「強み」についての話です。
超一流マーケターの森岡さんらしい、分析手法や自分の魅せ方が具体的に書かれています。
是非、実際に本で確認して頂きたいです!!
長所を磨く努力
会社は個人の強み(成果を出せること)に対して対価としてお金を支払っているので、強みを伸ばすことに全てをかけるべきです!!
ダメなのは、無理に自分のタイプを無理やり変えることです。ナスビは立派なナスビになればいい!キュウリになろうとしてもなれないことは理解しておく必要があります。
ちなみに短所/弱みとの向き合い方についても解説されています。ズバリ、強みを補填できるなら向き合い、相反するなら捨てろです。
会社や上司から何かを要求されたり、期待されている時、それが以下3つのどのパターンに当てはまるかを考えるべきだと言います。
- 自分の強みの特徴と相反する
- 自分の強みの特徴をより強化する
- わからない
①の場合はギブアップです。受け入れてはいけません。なぜなら、会社や上司にとっては都合がいいかもしれませんが、あなたにとっては都合が悪いからです。「はい、努力します!」と明るく受け答えしながら、本心では強みを活かして解決する方法に集中すべきなのです。
②の場合は真剣に改善に取り組むべきです。上司から言われたことをやってみることで、自分の特徴をよりよく理解することができるチャンスになります。それが強みになるのであれば、成長につながります。
③の場合も食べず嫌いをせずまずは素直にやってみるです。成果を上げるように積極的に取り組んでみることで、新しい特徴を見つけるきっかけになります。
とはいえ、成し遂げたい仕事のために弱点がクリティカルに悪影響を及ぼしそうな場面に出くわすことがあります。そんな時は、他者の力を借りましょう。自分の弱みに向き合う時間は捨てるのです。
環境の選択
会社と従業員は対等な関係です。会社がこちらを選んでいるように見えるのだけれど、実はこちらも会社を選んでいることを忘れてはいけません。
人生100年時代といわれ、終身雇用も崩壊している現在です。会社に依存するのではなく、自分自身のスキル(職能)に依存するキャリアの作り方を意識しましょう。
キャリアアップ転職に関する、戦略についてまとめた記事もありますので、よかったらこちらも是非、ご覧ください。
苦しいのは、自分の存在価値を疑う仕事
本書のタイトルになっている「苦しかったとき」は以下の2点です。
・自己評価が極端に低くなっているとき
・自分が信じられないものを、人に信じさせるとき
とんでもなく忙しい時や、大きな失敗してしまった時よりも、この2点に共通した「自分自信を信じられなくなる時」=「自己肯定感が最低レベルになっている時」です。自己肯定感が下がってしまうと、仕事の以前に、人間として生きるのが苦しくなってしまいます。
この状態から抜け出す、最も有効な手段は「自分の環境を変える!」です。
周囲に相談する、上司に正直に打ち明ける、などの方法もありますが、自分だけではどうにもならない事だってあります。一時的に職を失うことは怖いと思いますが、以下の文章が一歩を踏み出す勇気になればと思います。
※本書 P251より抜粋
実際にクビになったほとんどの人の人生が、それでもちゃんと続いていくことも知っているだろう?クビになったら新しい居場所を見つければいい、ただそれだけだ。生きる意志さえあれば間違いなく生きていけるし、むしろそれをきっかけにしてもっと良い活躍の場が見つかるかもしれない。何をそんなに恐れているのだろう?この広い世界で、生きていく方法も、自分の特徴を必要とする場も、実はいくらでもあるはずだ。君自身で何か商売を始めることだって自由だし、本気で考えればいくらでも切り口は考えつくはずだ。それなのに今の職を失うのがそんなに怖いのはなぜか?その恐怖心の半分以上は、自己保存の本能が映し出しているフィクションに過ぎない。
私自身もベンチャー企業で働いていた時代に、自己肯定感が低くなって「もうダメだ。。」となったときがありました。しかし、上記の通り、世界は広い。ここが全てではない。自分には自分の人生がある!と開き直って、転職した結果、とても満足した生活を過ごせるようになりました。(私のプロフィール)
あなたが今、苦しんでいるのであれば、一旦、立ち止まって自分を見直してみましょう。私も同じように苦しい経験をしていたので、よかったら相談に乗ります。Twitter(@POLIN_ITJOB)、または「お問い合わせ」までお気軽にメッセージください。
まとめ/感想
ざっくり本書から学べることをまとめると、以下の要素です。
- 世の中は厳しい。自分を助けてくれるのは、自分自身である
- 何よりまずは自分を知ろう。自分の特性を理解しないことには、的確な策を練れない
- どうしてもつらい時は、環境を変えよう。世の中は広いので、自分に合う環境が絶対ある
人生を強く生きていくために、学校では決して教えてくれないこの世の真実が書かれているこの本は、今後どうしていこうか迷っている人の力になりますので、是非、ご一読下さい!!
月並みですが、私も2児の子を持つ父として、いつかはこんなカッコいいことを言えるよう日々精進していこうと思った次第です。笑
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