結論から話せ!!
ビジネスパーソンの鉄則だよ!!
↑こんなセリフを聞いたことはないでしょうか?
私もビジネスにおいては「結論から話す!」が基本的に有効だと思ってます。ただ、、全てのシーンで結論から話すことが正解ではないです。特にマジメで勉強熱心なビジネスパーソンほど、「結論ファースト」に縛られすぎて損しています。
この記事では、結論から話してはダメな理由、結論から話さずに魅力的な話をする方法を紹介します。プレゼンテーション/交渉に苦手意識がある人は、絶対に知っておくべきテクニックなので、是非、最後までご覧ください。
「結論から話せ」と言われる理由
結論から話してはダメ。という話をする前に、そもそも、なぜ「結論から話せ!」が一般的に重要だとされているかを説明していきます。
理由は、シンプルで「時間と注意力を節約できる」「主張を明確にできる」という2点になります。
結論から話せないダメな人を例にすると理解しやすいと思います。
話せない人
すみません。少しお時間よろしいでしょうか?先週の会議で広告予算を増やすことを決めたともうのですが、持ち帰ってチームで改めて議論をしたところ、これ以上予算を増やしても獲得効率が悪化する可能性が高くなるということがデータで分かりましたので、他の方法も検討すべきだと思ってリストアップをして検討を進めたいと思っております。ですので、現在広告を出稿している媒体での効果の最大化を図りつつ、別の方法を考えたほういいと思うのですが、広告予算を増やすということは確定事項なのでしょうか??
↑いかがでしょうか?これくらいの長さなら許せなくないですが、実社会ではこれ以上にダラダラ喋った上で「あ、質問をしようとしてるんだ。最初になんの話してたっけ?」となるケースは多々あると思います。
丁寧に話そうとして、色々説明したいという気持ちもわかります。しかし、厳しい言い方をすると「何を言いたいのか全然分からない。相手のことを考えず、自分が言いたいことを優先している幼稚園児と変わらない話し方」という評価になります。
なので、結論から話す「PREP法」を使え!というのは、少し勉強しているビジネスパーソンなら耳にタコが出来るくらい聞く話ですね。
結論から話してはダメな場面
ココからが本題です。先程の説明した通り、結論から話すことは多くの場面で有効です。ただ、バカ正直にいつもいつでも結論から話しては損します。
具体的に、結論から話してはダメなのは、「プレゼンテーション/交渉において、相手が想定している内容から、こちらの提示するゴールに結論を変更してもらわなければならない」というケースです。
この場合、先に結論を述べることが逆効果になります。相手が想定していない結論をいきなりぶつけた場合、
なんだと!そんな結論には同意できない!!
↑と拒絶的な反応をされてしまい、以降の内容がどんなに素晴らしくても、聞く耳を持ってもらえないので、相手の心に届きません。そして、交渉/プレゼンは失敗に終わってしまいます。
このように人間は、合理的な情報だけで物事を判断をするわけではないです。意思決定には「感情」も大きく関わってきます。つまり、意思決定をともなう交渉/プレゼンでは、感情を揺さぶり人の心を掴む必要があります。
心を掴むには、ストーリーが必要です。ストーリーで聞き手側の心を引き込む天才である、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏のプレゼンの導入部分を紹介します。
この日が来るのを待っていた、アップルは何度も世界を変える製品を発明してきた。最初はマッキントッシュ、パソコンの概念を変えた。次はiPod、音楽業界自体を変えてしまった。そして今日、アップルは携帯電話を再発明する。
↑おぉ!という期待感がでます。本題を聞きたい!!と引き込まれます。
結論、今日はiPhoneという新しい携帯電話を発表します。携帯電話とiPodが融合したような商品です。
もしもこんな感じで結論から話されたら「ふーん、で?」となります。話にグッと引きこまれる感情の起伏は起きないので、集中して聞く状態にはならないです。
心を掴む交渉/プレゼンのテクニック
結論から話さない方がいいシーンがあることは理解いただけたかと思います。ただし、スティーブ・ジョブズ氏を意識した、プレゼンは普通の人がやると「イタイ人」になってしまいます。
なので、結論から話さずに人の心を掴む交渉/プレゼンを実践するために押さえておくべきテクニックを3つ紹介します。カンタンではないですが、様々なシーンで活用できるので身につける価値は非常に高いです。
1.結論ではなく「問題提起」からストーリーを作る
最も使いやすいテクニックは、「結論」ではなく「問題提起」を最初にもってくることです。提案内容につながる課題をあげることで、相手が共感しやすくなります。
営業戦略の見直しについて、上層部に社内プレゼンをするという例で紹介します。
↑結論から話すと、これまでやってきたことを否定する感じになり、反発を生む可能性があります。しかし、市場状況から発生する「課題」から始めると素直に対策が必要だと感じてもらいやすくなります。
ポイントは「課題」を軸にすることで、解決が必要だという共感を作るという点です。
2.興味を持つ情報を開示する:事例の紹介
2つ目のテクニックは「興味を持つ情報を開示する」ですが、具体的にいうと、感情移入ができそうな事例を紹介するということです。
事例には、以下の3つの効果があります。
- 身近な人(企業)の経験談は共感でき、興味が持てる
- 抽象的な内容を具体的なイメージに変える
- 実際に起こったことなので説得力がある
先程の「営業戦略の見直し」の例で言えば、以下のイメージです。
本日のプレゼンでは、売上を急激に伸ばしている競合A社の現状/取り組み内容を紹介した上で、自社に必要な施策についても提案させて頂きます。
急成長中のA社での取り組みは、間違いなく参加者の興味を集めます。このように、事例は心を掴むために非常に強力な武器となるので、有効に使うための情報の出し方を考えて活用しましょう。
3.心情が変化した過程を伝える
3つ目のテクニックは「心情が変化した過程を伝える」です。つまり相手の心を動かすために、まず自分自身にどういった心情の変化あったのかを伝えるということです。
これまでの「営業戦略の見直し」の例で言えば、以下のイメージです。
私はこの提案をするため、現場の状況を徹底的に調べました。その過程で「細部の工夫」により、現状が支えられていることに対して、涙がでそうになるほど感動しました。
しかし同時に「苦しい現実」を目の当たりにして、次のステップに進むための改革が必要であると確信しました。
今日の提案はそんな思いが込められていますので、是非、お聞きください。
↑短文で表現することは難しいですが、要は「魂を込めたアツいプレゼン」ということです。心から必要性を感じた提案であれば、自然と心情の変化が内容に入っていることがあります。
これを意識的にテクニックとして実施できるようになることで、相手の心を掴み、心情の変化を促す交渉/プレゼンができるようになります。
ただし、心情を含めすぎると「ただの感想」になってしまいます。実際にこのテクニックを使う際は、事前に上司やチームメンバーに第三者的な視点から内容について意見をもらったほうがいいと思います。
まとめ:自分の意見を通すために、人の心を掴む
最後に本記事で紹介した内容をまとめさせて頂きます。
冒頭にも述べた通り、勉強熱心な人ほど「結論から話せ」病になっているケースが多い印象です。目的/シーンに応じて、最適なストーリーを使えるようになると、ビジネスパーソンとしてレベルアップしますので、是非、試して頂ければと思います。
このブログではビジネスパーソンの「市場価値をあげる仕事術」「転職に必要な考え方」を紹介してますので、よかったら他の記事もご覧ください。
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